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新世代モバイル機器がもたらす断絶

デジタル・ディバイドという言葉があります。パソコン、インターネットなどの情報技術を使いこなせる人と使いこなせない人との間に生じる様々な格差、 断絶のことで、個人の間の差だけでなく、国家間、地域間においても生じていたことから、世界的な課題として注目されていました。

携帯電話の利用においても、携帯電話からのインターネット接続が普及したことにより、携帯電話でインターネット、メール、音楽などを楽しむ人や、 ほぼ電話としてのみの利用に留まる人など、「携帯ディバイド」とも呼べる断絶が生じていました。

最近はこの言葉を見聞きすることは少なくなりましたが、ここ数年、パソコンに近い性能を持つスマートフォンが普及するにつれて、 ユーザー、企業、開発ベンダなどの間で「スマートフォン・ディバイド」とも呼べる新たな断絶が生じるようになっています。

スマートフォン利用のハードルを下げる設計思想の実現

ユーザーにおいては、地域や年代等による普及状況の断絶だけでなく、利用状況による断絶も生じています。より積極的に便利に機能を使いこなし、 新しいライフスタイルを楽しむようになっている人たちがいる一方、電話やメールなど従来の携帯電話と変わらない使い方に限定している人たちも 少なくありません。

ユーザーに起きうる断絶を埋めるためには、より多くの人が迷わず直観的に、簡単、快適にストレスなく利用してもらえるアプリケーションを 提供することが必要です。

そのためには、スマートフォンに特化したUI/UXを前提とした設計と、ユーザーの要望に柔軟に対応しながらアプリケーションを 進化させられるきめ細かいメンテナンスが必要です。
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PCの業務環境とは全く違うモバイルの世界

企業においては、社内IT環境でも顧客向けサービスでも、スマートフォンへの対策、対応は必須要件となりつつあります。 しかし対応は始まったばかりで、多くの企業が課題を抱えています。

同じように考えられがちなPCとスマートフォンの業務アプリですが、動作するデバイスの特性や運用は全く違います。 スマートフォンのエンタープライズ利用では、設計から開発、管理まで、従来のPCとは異なるアプローチが必要です。

これらをサポートするには、モバイルで培われたスペシャリストの経験が不可欠です。

社内管理- BYODの広がりへの対応

PCは企業が一斉支給し、統一されたOSや業務用アプリケーションを使用するなど、一定の管理下で利用されています。

BYOD (Bring Your Own Device) の広がりとともに、個人所有のスマートフォンの業務利用をどこまで許すか、どのように管理するか、 ポリシーやルールの整備といった新たな課題が発生しています。

社内管理- スマートフォン向けアプリケーションの開発、配布、管理

BYODを進めるにあたっては、アプリケーションの開発、配布、管理も新たな課題の1つです。

従来の業務システムはスマートフォンからのアクセスを前提としておらず、またスマートフォン向けに最適化もされていません。

また、iPhoneアプリを配布するiTunes、Androidアプリを配布するGoogle Play は社外のサービスであるため、 社内向けアプリケーションを ユーザーに配布するには、自社でウェブサーバを設置するか、専用のモバイルアプリ管理ソリューションが必要です。

顧客向けサービス- 短いライフサイクルと多様な機種への対応

顧客向けサービスにおいても、PCよりも煩雑で多くの対応が求められます。PCのライフサイクルが6年程度であるのに対し、 スマートフォンは4年程度です。毎年発売される新機種は進化を続け、機種による機能の差異も大きくなっています。

定常的に新機種対応のためのメンテナンス業務が必要であるため、サポート体制やコストが必要になります。

顧客向けサービス- 多様なプラットフォームへの対応

Webブラウザだけでも、数種類のサポートが必要です。そこにスマートフォンが加わると、さらに複数のOSとバージョンが加わります。 スマートフォンのOSは、1年毎にメジャーバージョンアップを繰り返し、年間数回のマイナーバージョンアップも発生します。

OS間での差異やOSと機種の組み合わせも考慮して、どこまで対応するか見極める必要があり、対応コストもかかります。

開発の新しい考え方

かつて大型汎用コンピュータが業務用コンピュータの主流であった1980年代、登場したばかりのPCは、大型コンピュータの技術者たちから オモチャのような存在として見られていました。しかし、ダウンサイジング化の波は瞬く間に広まり、PCはコンピュータの主流となりました。 大型コンピュータの技術者たちもPCのアプリケーション開発に携わるようになったものの、大型コンピュータとは異なる設計思想で作られている PCのアプリケーション開発に大型コンピュータの開発手法は合いませんでした。

その後、ゲーム機や携帯電話によるインターネット接続が実現されるようになると、今度はPCの技術者たちが、それらをオモチャとみなしました。 そして今、ゲーム機や携帯電話はスマートフォンにとって代わられようとしています。

古いアーキテクチャ、古いスキームに馴染んできた人が、スマートフォンが起こす大きな波に乗ることはできるでしょうか。

新しいアーキテクチャ、新しいUI

限られた大きさの画面を指で直接操作するタッチUI、無線通信による電波状態の変化や通信帯域、バッテリーによる駆動など、 様々な制限がある中での利用を想定しなければなりません。これらの制限は、アプリケーションを作る際の設計思想、 ユーザビリティやUIの考え方に影響します。

従来のアプリケーション開発の経験だけでユーザーが使いやすいアプリを開発するのはなかなか難しいと言えます。

クロスプラットフォーム

スマートフォンアプリの開発に正解はありません。Unityなどのクロスプラットフォームエンジンが台頭していますが、 ネイティブアプリケーション、Webアプリケーション、ハイブリッドアプリケーション(ネイティブ+HTML5)など、 それぞれに長所、短所があり、何がよいのかを見極めるノウハウが必要です。

顧客が重視する様々な要件に対して最適な設計手法をとれる体制でなければなりません。

新しい技術

モバイルの世界では、様々な新しい技術が研究、開発されています。端末付属のセンサー、ロケーションデータ、ビッグデータ、 さらには端末同士のつながり(IoT)により、新しいアプリケーションやサービスが生まれています。 スマートフォンは新しい技術や情報の出入口となっています。

どのようなアプリをどのように開発するかによって、アプリケーションやサービスの使い勝手は大きく左右されます。

ソース:[Journey 2020 – Digital Shockwaves in business – Ascent]

MITの解決策

様々な断絶に対し、MITは以下のような解決案をご提供いたします。

モバイル端末に最適化された設計

スマートフォンのアプリは画面が狭く、そこを指でタッチして操作します。通信帯域も狭く不安定です。 私たちは、このようなモバイルならではの制限を十分に考慮し、ノウハウを生かした設計を行います。

UIと操作性に重点を置いた設計

私たちは、UIと操作性を重視します。限られた画面サイズの中での操作のしやすさの追求、画面移動を少なくする努力など、工夫を積み重ねています。

美しいデザインへのこだわり

私たちは、ソフトウェアはただ正しく動けばよいという時代は終わり、見た目の綺麗さはソフトウェア品質の重要な要素になっていると考えます。 フォント、区切り線やボタンの形状、配色など、細部までこだわりをもってデザインします。

またこれを可能にするために、社内にデザイン専門チームを置いています。

クロスプラットフォーム対応を可能にする開発体制

クロスプラットフォーム開発ツール「Unity」の利用など、様々なプラットフォームへの対応を可能にする開発体制をとっています。 ネイティブアプリケーションについては、独自ライブラリを整備し、設計、開発の共通化を行うことで開発効率を高めています。 ネイティブ+HTML5(ハイブリッドアプリ)も可能です。

社内検証チームによる品質管理

アプリケーションの品質を確保するため、社内に検証専門チームを置いています。過去の検証作業で蓄積したプロセスやノウハウを 独自の検証項目リストとしてまとめており、その数は6,000項目以上に及びます。